皆さんは自分の出身校の校章を覚えておられますか。
学び舎を巣立って以来何年も忘れていて、ある日ふと目にすると懐かしさに似た、そして良いこと悪いことも含めいろいろな事があった学生時代のことが脳裏に浮かんできませんか。

明治維新以来、新しい学制のもと日本には多くの学校が生まれ、時代の荒波の中であるものは存続し、あるものは廃校になり、またあるものは校名を変えて残り、今も新しい学校が全国で生まれています。
そして学校創立にあたっては学生や地域の郷土意識、矜恃、誇りを象徴するものとして校章は必ず制定され、男子は学生帽に帽章を、女子はセーラー服に胸章などをつけ毎日通っていたのではないでしょうか。

しかし、平成の時代に入る頃より学生服の考え方と有り様が大きく変わり、黒い詰襟の学生服やセーラー服が減って学生帽はほとんど被らなくなっています。その動きにあわせて身につけるバッジや胸章類も廃止や仕様の変更がなされ、また校章自体もデザイン意識の普及や感性の変化の中でSI（スクール・アイデンティティー）の一環として校章の手直しや新たな制定がなされてきています。

たしかに旧来の校章が画一的な単純で味気ないものであるにしても、それらは日本が世界に誇る家紋の伝統を明らかに受け継いでいるものであり、動機・由来・作者如何にかかわらず、それぞれの教育の理想や専門領域、ゆかりのものを視覚化させ、同時に地域・風土への思念を無意識のうちにも表現している一つの文化的な財産といえないでしょうか。

キショウ堂は明治28年の創業以来、たくさんの帽章、胸章などの徽章類を製作してまいりましが、昭和20年の原子爆弾投下による店舗全壊、また昭和60年の火災による全焼でその資料の多くを焼失あるいは散逸いたしました。 そんな中でも、当社の倉庫にはその惨禍をかい潜っていくつかの古い帽章、バッジなどが今に残っております。

この度、ささやかですがこれらの資料を公開して、皆様からのご意見や情報によって不明の校章や資料の誤謬を訂正し、そして何よりも皆様が幼い日、若き日々を思い出し語り合う縁になっていくのならこれに勝るものはありません。

ようこそ、徽章資料館へ！

分かる範囲で校名を記入し、校名が変わっている場合は新校名を付記します。

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