フラッグ:旗仕様

 別注企画品 

旗の仕様・用語について

数え方
旗や幟を数える単位は、今では「枚」を使っていますが、正式には「流」(古い字体は「旒」)という単位で数えます。
特に校旗や社旗などで、竿頭、棒、三脚、トランクのセットで製作する時は「流」の単位を使います。

大きさについて(旗は縦:横=2:3を基準にして製作されます)
70x100(大巾)

家庭用の国旗がこの大きさです。学校などの式の時に使われる正式校旗もこの大きさで、旗の標準的なサイズです。7:10は、明治3年、最初に出された日の丸の布告の比率です。

80x120(二一巾) 大学などはこの大きいサイズで校旗を製作します。
90x130(二四巾)    〃
90x135(ヤール巾)
100x150(三巾)
掲揚用、室内用もっともよく利用されている大きさです。
120x180(四巾)
130x190(四巾)
天竺木綿で染めた場合、一枚物で出来る最大の大きさがこのサイズです。
140x210(大巾二巾) 大き目のサイズで最もよく製作されるサイズです。室内では大きく見えますが、ポールや屋上に掲揚すると全然大きく感じません。
180x270(ヤール二巾)
200x300
国旗の既製品で最大の大きさです。
旗は布地ですから、どのような大きさにも出来ます。
大きさによって使う反物の幅が違い、( )が業界での呼び方です。大きい場合は巾継ぎ(二枚を縫い合わせる)になります。
また、外国旗の正式比がまちまちなので、国連では2:3に統一して掲揚しています。

データについて
最近はデータによる染(転写・昇華印刷)の技術が飛躍的に向上し、以下に述べるように合繊・テトロン系の生地にはこの方法で製作することが多くなりました。
この場合のデータはイラストレーターかフォトショップという画像専用ソフトで作成されたものをいいます。

生地について(材質はプリント、染、刺繍などTPOにあわせていろいろあります)
金巾(かなきん) 薄い木綿地です。家庭用の国旗は多くこれで作られています。
天竺木綿 既製品、別注品とも最もよく使われる生地です。染料が生地に染み込むので発色が地味です。雑貨系の旗でもプリントして使われています。
60ブロード 木綿でも良い番手で織った生地で、細やかな風合いです。

Gポプリン

日の丸の既製品だけに使われているポプリン織りの木綿生地で、まっ白でつやがあります。
シャークスキン 厚い織りの木綿生地です。肌触りが鮫の肌に似ているので、こう呼ばれます。「かつらぎ」という生地も厚手の木綿地です。
エクスランバンテン アクリル合成繊維の生地でアクリルバンテンともいいます。木綿製に比べて割高ですが色の発色がよく、複雑な図案や色の難しい外国旗の既製品に使われています。
ナイロン 染、プリントとも大量生産にむいていて、雑貨系など輸入物に多く使われています。欧米はナイロン製の旗を中心に製作し、日本ほど染色の技術がないのでアップリケを施した製品が多く作られ流通しています。
テトロンポンジ うすい化学繊維。数量がありプリントすれば安価に製作できます。街で見かける広告の幟はほとんどこれで作られています。データがあれば転写浸透印刷で1枚からオリジナル製作が可能です。
テトロントロピカル ややうすいポリエステル系生地です。雑貨系でもプリントしてよく使われています。業界の人は「トロ」と呼んでいます。ツイルより安価で軽いので大きいオリジナル旗に使われます。
テトロンツィル 織りの詰った厚いポリエステル生地です。丈夫で染色法も改良されて色がきれいに出せるようになり、最近はこの生地で染めることが多くなりました。
麻(HEMP)です。日本では居酒屋など飲食屋さんの暖簾(のれん)でよく使われます。縄のれんというのもあります。
冨士絹(ふじぎぬ)

室内用の旗を作る時に使われるうすい本絹地。繊細な生地で外では使えません。

羽二重(はぶたえ) 卓上旗などに使用されている絹です。冨士絹より良い生地です。
塩瀬(しおぜ) ここからは西陣織の高級絹織物です。塩瀬は平織りの生地です。袷(二枚あわせ)にして染め、校旗や優勝旗などによく使われています。生地が弱いので刺繍には向いていません。
本絹と人絹があります。
綾錦(あやにしき) 綾織りの厚い生地で高級刺繍旗で使われます。校旗ではもっともよく使われています。
琥珀(こはく) さらに良い生地です。平織りの重厚な生地で、光を反射しない、渋くて深い色合いを見せます。
綴(つづれ) さらにさらに良い生地です。指定された色を糸から染めて織っていく(先染め)贅沢な生地です。関取さんの化粧回しにも使われています。

その他の用語
フレンジ 旗の三方(棒に取り付ける側以外の三辺)に付ける房のこと。金色もしくは黄色が主で紫や黒もあり、棒フレンジという簡単なものから四段七宝編み、二重七宝編みなどいろいろな種類があります。
竿頭(かんとう) 棒の先につける飾り。金玉(きんのたま、と読んでくださいね)、偏平玉、剣先など旗の性格によって使いわけています。校旗などは校章を彫った別注の三方(丸が三つある形)の竿頭を作ります。アメリカの国旗は正式にはイーグルの竿頭がつきます。
アルミの伸縮棒(2m〜6m)が便利でよく使われています。校旗などの正式の旗には3本継ぎになった本樫材の棒や、室内用ではマホガニーの棒などが使われます。
袋通し 旗を棒に取付けるのは紐で結えつけるのが一般的ですが、長流旗(縦長の旗、懸垂旗とも)や横断幕などでは棒を通すために筒状の縫製をします。これを袋通しといっています。
ハトメ 掲揚用の旗には三角布と、紐を通すために補強用の丸い穴の開いたハトメという金具を付けます。鳩の目に似ているのでこう呼ばれます。