フラッグ・旗グッズ:旗の知識 日本国
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日章が太陽崇拝を濫觴とすることには異説はありません。
白地に赤の丸は戦国の武将や江戸時代の商船などでよく使用されていましたが、幕末の頃になると外国の船舶も頻繁に見えはじめ、安政元年(1854)七月九日、幕府老中首座、福山藩主阿部伊勢守正弘は、薩摩藩主島津斉彬、水戸藩主徳川斉昭らの建議をうけて
「伊勢守殿御渡 三奉行江
大船製造ニ付而者、異国船ニ不紛様、日本惣船印者、白地日之丸幟相用候様被
仰出候、且又・・・」
という布告を出しました。
そして、安政二年四月、薩摩藩独自の技術で建造した洋式軍艦「昇平丸」を幕府に献上する際、島津斉彬は家紋の「丸に十字」とともに自らが提案した「日之丸幟」を掲げ、これが日章旗を国家意識のもと対外的に用いるようになった嚆矢とされています。
万延元年(1860)の勝海舟の咸臨丸渡米にも日章旗が掲げられましたが、今私達が目にしている国旗は正式には明治三年(1870)正月二十七日「太政官布告第五十七号」『郵船商船規則別册之通御定ニ相成候條此段相達候事』によって初めて公的な規定が示されました。
これは、維新の新政府(太政官代)が新しい国家建設のために矢継ぎ早に布告を出す中、外国の船舶が多く出入りする開港場・船舶の重要な諸規定の一つして出された布告で、その別紙規則に「御國旗之事」として掲揚や寸法の規定が述べられています。
これによると、国旗は朝八時から日没まで掲揚し、無い場合は「万國普通之公法」によって海賊船とみなされること、祝日は大旗、平日は小旗を掲揚すること、御軍艦に出合った時は「我旗章ヲ三度昇降イタシ禮義ヲナスへキ事」等述べられ、さらに別紙に「祝日可用分大旗之圖」として、
・流(横) 壱丈三尺(約394cm)
・巾(縦) 九尺一寸(約276cm)
・日ノ丸差渡(直径) 五尺四寸六分(約165cm)
・日ノ丸上下の明キ 夫々一尺八寸二分(約55.1cm)
・日ノ丸 先ノ明キ(風下側の明き)三尺九寸(約118cm)
乳ノ方明キ(竿側の明き)三尺六寸五分(約110.5cm)
と図入りで寸法が指示されています。比率に直すと縦横比7:10、日章直径は縦の五分の三で、日章中心は旗竿側に横に約百分の二(約7.5cm)だけ寄ることになります。その他に、平常用として中旗(横壱丈、縦七尺)、風雨の時に使う小旗(横六尺、縦四尺ニ寸)などが併記されています。
[1尺:約30.3cm] ( )内編集部注記
これとは別に同年十月三日には「太政官布告第六五一号」『海軍御旗章國旗章並諸旗章』が出されました。
これは一般の船と紛らわしくならないよう海軍の旗の様式を示したもので、「御旗 錦布金日銀月章」、「皇族旗 青地錦布紅日章」の次に「御國旗 白布紅日章」という名称で寸法は「御旗」と同じ、として記載されています。その「御旗」の規格は
「縦七尺八寸横一丈一尺七寸
風下餘幅
五寸八分
但シ縦徑ハ横徑ノ三分ノ二
又横徑ノ二十分一ヲ風下ノ
縁ニ加フ
日月ノ徑ハ縦徑ノ五分三ト定ム」
となっています。また船首旗章の国旗として縦六尺横八尺の大きさも示されています。
時代が少し下って明治二十二年(1889)十月七日に、「勅令第百十一号」『海軍旗章條例』が公布されました。
これは天皇旗から海軍病院旗まで十五種類の海軍旗を細かく規定したもので、その中の一つに艦首旗として日章旗の規定が示されています。それによると
・地色 白
・日章 紅
・横 縦ノ一ト二分一
・日章中心 旗面ノ中心
・日章徑 縦ノ三分二
となっています。縦横比2:3は前記の第六五一号と変わりませんが、日章直径が縦の三分の二になり、日章が旗面の中心にくるよう明記されています。
何故最初、日章の中心が竿側に少しずれていたのかは正確には分りませんが、日の丸はもともと幟であったので、やや上目に配置された日章の幟を横にすると中心が竿側によったデザインになりますし、旗が風に靡いて風下側がはためくと、その時ちょうど日章が中心に見えるバランスであることも確かです。
現在では日章は旗面の中心で多く製作されています。
明治五年三月二十八日に「自今開港場縣廳へ國旗ヲ可掲事」という通達が出され、この頃から官庁・民間でも使用され始め、「日出づる国」のイメージと相俟って広く一般に定着していきました。
正式縦横比=2:3
(平成十一年八月十三日、法律第百二十七号 『国旗及び国歌に関する法律』が公布されました。その附則の中で「当分の間・・・縦を横の十分の七とし、かつ、日章の中心の位置について旗の中心から旗竿側に横の長さの百分の一偏した位置とすることができる」という特例が記されています)
通称、日の丸
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