旗の知識

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エチオピア連邦民主共和国国旗

エチオピアはアフリカ最古の独立王国です。
その名は旧約聖書にも現れ、伝説によると紀元前10世紀頃、エルサレムのソロモン王と南アラビアのシバ女王との間に出来た子息メネリクにより建国されたことになっています。
緑・黄・赤はエチオピアの伝統的な宗教色ですが、エチオピアの3地方、シオーハ(緑)・アムハラ(黄)・チグレ(赤)を表すとも、また大地、希望(緑)・自然の富、平和、愛(黄)・愛国者の血、信仰(赤)を表すともいわれています。
アフリカは植民地の歴史や部族対立などの複雑な問題を抱えていますが、第二次世界大戦後の頃からアフリカ諸国に独立の機運が高まる中、相ついで独立を果たしていき、その時に理想のシンボルとしてエチオピア国旗の色を多くの国が採用してアフリカ世界を代表する、ひいては第3世界を象徴するカラーとなっていきました。

しかし、なんといってもこのカラーリングは、エチオピア皇帝ハイレ・セラシェ[Emperor Haile Selassie I of Ethiopia](在位1941-1974)を現人神と崇拝したジャマイカのミュージシャン、ボブ・マーレー[Robert Nesta Marley](1945-1981)によって世界的なものになっていきました。
ボブ・マーレーは独特のリズムと抑揚をもつレゲエミュージックの確立者ですが、ハイレ・セラシェ皇帝を黒人のアフリカ回帰と独立のシンボルとして崇拝するジャマイカの狂信的な宗教ラスタファリアニズム(ハイレ・セラシェ皇帝の別名ジャー ラス・タファリに因みます)運動に加わって音楽活動にもこのエチオピア国旗のカラーをよく用い、レゲエ音楽の普及とともにこのカラーリングが世界中に広まっていきました。
ハイレ・セラシェ皇帝治世の国旗には旗面中央に、向かって右向き(紋章学では左向き)のライオン「The Lion of Judah」が配してあります。
西洋紋章学では紋様の向かって右側が左、向かって左側を右と呼び、右の方が優位になっています。ヨーロッパの紋章によくあるライオン紋ヒョウ紋は殆どが紋章学でいう右を向いています。

1974年に王制が廃止され,1987年人民民主共和国ついで1995年連邦民主共和国となりました。現在の国旗には中央に青い丸(平和を表す)の中に「ソロモンの星」がデザインされています。
正式縦横比=1:2
エチオピア国通称、シバの女王の国[Country of the Queen of Sheba]   
カラーリング通称、ラスタカラー

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